恋人から送られてきた。久々に胸がきゅっとなったよって。
なんだか、せつないメロディーに 苦しい歌詞で、わたしは駅についてから家までの自転車をこぐ足に力がはいりっぱなしだった。

ずっと隣にいるよって言った幸せそうに眠る君と
俺はそういうのすごく嫌いなんだって言ったイライラした君と
飲むと楽しそうにいろんな話をする君が
わたしの前にいて 三ヶ月たって まだどんな風に距離感を掴んでいいのかわからないけれど。

29歳のわたしは、19歳の時と変わらずこんなふうに日記をかいていて
いつまでたっても結婚も妊娠も出産もないまま恋人があれから4人変わった。
10回の夏を経験して、10歳歳を重ねて、何かを成し遂げることもしないまま。
ああこれじゃダメだ、と思いながら10回目の秋と冬を迎えようとしている。
順調に肌は衰えて、午前2時には眠くなって、10年前より涙もろくなって、10年前より無駄なこだわりだけが増えている。10年間変わらず「幸せになれますように」って願いながら。